映像審査に思うこと
最近は一次予選が映像審査のコンクールが増えてきました。
新型コロナの流行はコンクールの世界にも大きな影響を及ぼしました。
この映像審査というのはコンクールに参加する側としてはありがたいようなそうではないような…
本番一回の演奏で評価されるホール審査はあまり緊張しない人もいるようですが、この一回で決まると思うと時には緊張マックスの中で勇気を振り絞って演奏することになります。
うまく行くこともあるけれど、かたくなってしまって力を出し切れないで終わることもあります。
それに対して映像審査はいつもの自分の楽器でリラックスして弾くことができ、しかも失敗しても何度でも撮り直すことができます。
自分の演奏を客観的に聴いて撮り直し、より良いものにできるという点では映像審査はなかなか良いのかもしれません。
一方では、何度でも撮り直せることからどこまでやったら満足できるか落とし所が難しいです。
先生やおうちの方が諭してもご本人が納得できなくてエンドレスになったり、その逆だったり。良い意味でもそうでない意味でも欲が出てくるのですね。
また、候補に挙げた映像の中から最終的にひとつを選ぶわけですが、どれも甲乙つけ難くて決められない場合があります。
そういう時は時間をおいて何度か聴き直したりします。
ご本人の考え、先生の考えを擦り合わせて、最終的にご本人が納得できるものが決まったら提出します。
映像審査は弾いて終わりではないところがなかなかに難しいです。
個人的には、ホール審査のほうが本番ならではの何が起きるかわからないスリルがあり、時には火事場の馬鹿力的な化学反応も起きて好きです。
ガチガチになってうまく行かずに終わることも多いけれどそれも自分の実力、悔しさも次への起爆剤になるし、失敗した時のほうが人生多くを学べる、と歳を重ねるごとに思うようになりました。
この秋も映像審査に臨む生徒さんたちがいます。
レッスン室で撮ったりご自宅で撮ったり、スタジオをお借りして撮ったりしました。
撮影を進める中でできるようになったこともたくさんあって、生徒さんたちなりにほんとによく頑張りました。
次のステップに進めるといいです!
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